小山市乙女2丁目の知久豊さん(67)は知久姓のルーツを求めて調査を重ね、時代小説「戦国 知久氏の興亡」を随想舎から出版した。戦国時代に知久氏が城主を務め、ゆかりの寺院、史跡も多い長野県に何度も足を運んで資料を収集。武田信玄らとの対立の中で、一族の血筋を絶やすまいと苦闘した先祖たちの姿を描いた。

昔から「知久という姓が嫌だった」という。それが30?40年前、東京の古本屋で「知久氏は信州下伊那地方の神之峰城主」と書かれた本を見つけ、いつか「知久氏」について調べたいと思うようになった。

法務省を定年退官後、調査を本格化させる中で、戦国乱世の興亡を記録し冨士御室浅間神社(山梨県)秘伝の書とされる「勝山記」に出合った。そこには、武田信玄との戦いに敗れた信州の知久氏一行8人が河口湖の島に幽閉されたことや、その翌年に自害したことなどが書かれていた。
「戦国 知久氏の興亡」は、この「勝山記」をベースに、決戦を前に弟を武田方に寝返らせるなど、知久氏の血を必死に守ろうとした城主知久頼元の姿や、その子孫が縁あって小山城主に仕えるようになった史実などをつなぎ合わせて完成させた。

同書は四六判158ページ。裏表紙側カバーの写真は、江戸時代に知久氏が奉行を任された信州・浪合の関所跡という。定価1200円(税別)。県内主要書店で発売中。

下野新聞SOONより