宇都宮市大通り2丁目の元小学校長池田正夫さん(74)が、出身地の古賀志町に伝わる古文書をひもとき、歴史や信仰をまとめた「古賀志の里歳時記 橿と櫻は夫婦なり」(随想舎)を自費出版した。「郷里に恩を返したい」と、3年掛かりの労作だ。

池田さんによると、母校の城山西小では大正から昭和初期にかけて「愛郷歌古賀志めぐり」という歌が歌われてきた。歌詞には同校を起点として通学区にある名所などが時計回りに詠み込まれている。本著では愛郷歌を基に、古賀志山や瀧大権現、御嶽山信仰など23項目の言われや歴史を紹介した。

まとめるに当たっては「きちんと歴史を残すには物的証拠が必要」と、県文書館に足を運んでマイクロフィルムに収められた史料などを調べ、現地調査も行った。撮影した中から厳選した約250枚の写真も載せている。

最も感慨深かった史料は中嶋北條家に伝わる家伝書だという。名主であり、兵法道場を開設するなどした同家に4代に渡って残され、江戸時代は門外不出の書だった。「古賀志の歴史のタイムカプセルのようなもの。初めて家伝書に接した時の感動を自分だけのものにせず、人にも伝えたいと思った」と話す。

「この本が古賀志の里を見直すきっかけとなり、若い世代に古いものを大切にしてもらえたら」と池田さんは願っている。

下野新聞SOONより)