日光市内の農家から発見された「太閤検地帳」が、県内で最も早い時期に実施された検地記録であることが、板橋の歴史研究家田辺博彬さん(66)の調査で分かった。田辺さんが2月に出版する「日光山麓史」に収録されている。専門家は「下野の社会が中世から近世に移り変わる象徴的な資料といえる」と足で稼いだ成果を評価している。

資料は小林の和田章さん(88)宅に保管されていた68ページの古文書で、2004年に日光市歴史民俗資料館が所在を確認した。

田辺さんは昨年秋から、板橋の歴史をまとめる作業を進め、この過程で古文書をあらためて調査。県立文書館の協力も得て、内容を確認した。

その結果、太閤検地帳は、1590年8月30日に作成されたものを120年後の1710年に書き写したことが分かった。443筆の田畑の面積や石高、耕作者が記されている。

田辺さんは度々県外への調査も行い、約3年間かけた調査結果を「日光山麓史 下野国板橋を取り巻く世界」(随想舎、税別2500円)にまとめ、2月2日に出版予定。「年齢とともに調査や執筆の限界が迫っていると思い、3年間すべて打ち込みました」と話している。
下野新聞SOONより)