【宇都宮市】元県庁職員の梅沢秀夫さん(74)=鶴田町=は、がんを克服した喜びと周囲への感謝の気持ちを込めた「今を生きる」を自費出版した。69歳で骨盤内の臓器を全部切除した時のことを「生死の境をさ迷うような手術だった」と振り返り、今は患者団体でのボランティア活動に生きがいを見いだしている。

梅沢さんは定年退職後、母親の介護に尽くした。母親が死亡して三回忌が終わった後に直腸のがんが分かった。

骨盤内の直腸やぼうこうといった臓器を全部切除。さらに排便、排尿のため2つの排出口(ストーマ)を体に設置した。

梅沢さんは「麻酔から覚めやらぬ頭の上で、男の看護師さんが女の看護師さんに一時はどうなることか慌てたと話しかけているのが聞こえた瞬間が私がこの世に生還したときだった」と記している。

体が回復するにつれ、逆にストーマを強く意識するようになった。「ストーマの重圧で何度も押しつぶされそうになった“こころ”を4人のヘルパーさんに救ってもらった」と感謝の気持ちを表している。

健康を取り戻した今は、人工肛門の患者などで組織する県オストミー協会でボランティアに励んでいる。

本はB5判変形で47ページ。1冊1千円(税込み)で販売している。問い合わせは、随想舎電話028・616・6605。
下野新聞社「SOON」より転載。