2018年8月7日 産経新聞で、
竹澤謙 著の『丸山瓦全 とちぎの知の巨人』が、紹介されました。
https://www.sankei.com/region/news/180808/rgn1808080019-n1.html

(引用)
栃木県内の文化財調査、保存に尽力した足利出身の丸山瓦全(がぜん)(1874~1951年)に関して、評伝と復刻本の出版が相次いでいる。県考古学会顧問、竹沢謙さん(77)=鹿沼市=が評伝「丸山瓦全 とちぎの知の巨人」(随想舎)を出版し、郷土史家、関根徳男さん(64)=佐野市=は瓦全の調査報告をまとめた「天明鋳物資料集」を40年ぶりに復刻。相次ぐ出版に瓦全が残した多大な功績と影響力が垣間見える。(川岸等)

瓦全は、明治41(1908)年に考古学会(現在の日本考古学会)に入会し、考古学者の高橋健自(けんじ)、民俗学者の柳田国男、足利出身の中山太郎らと交流。佐野市内の木像エラスムス立像(国重要文化財)を発見、海外流失を防ぎ、塩谷町の佐貫石仏(国史跡)を発見するなど文化財保護に尽くした。昭和24年、第1回県文化功労者表彰を受章。

竹沢さんは県立小山西高校校長退任後、平成19年、鹿沼市史の編集に携わり、瓦全の業績を知り、調査研究に没頭。翌年以降29年までに所属する同考古学会に計7回、小論文を発表し、「瓦全研究の集大成として世に送り出すべきだ」との恩師の薦めもあり、昨年末から執筆に取りかかった。分かりやすさを念頭に、生い立ちから考古学への傾倒やネットワーク、文化財保護の取り組み、晩年、不慮の事故で亡くなるまでの生涯を書きつづった。未発表の資料、写真も多用されている。

竹沢さんは、瓦全の特徴として、文化財調査・保護の業績、学校教育への強い関心、幅広い人脈と交遊を挙げる。特に木像エラスムス立像保護のため、国や県に陳情する一方、再三の譲渡を申し入れるオランダ政府に対しては拒否する姿勢を貫いた。「まさに文化財保護の鬼であり、多くの人にその業績を知ってもらいたい」と話す。356ページ、3千円(税別)。県内主要書店で扱っている。

一方、関根さんは「天明鋳物の研究を促進させたい」と、「天明鋳物資料集」(169ページ)を100部、自費で復刻し、無償配布している。

瓦全は昭和22年までの調査記録として、「天明鋳工作品各国別(乾坤(けんこん))」をまとめた。調査範囲は県内をはじめ群馬、東京、京都にもおよび、半鐘、鰐口、鳥居など600点以上、鋳物師400人以上を紹介している。

戦後、佐野市内の天明鋳物師がその資料を瓦全から借用し、筆写。それを基に佐野青年会議所が編集し、昭和53年、非売品の資料集として出版、関係者に配布した。関根さんは中学校教諭の傍ら郷土史研究に励み、「天明鋳物と佐野史」などを自費出版している。関根さんは「復刻で貴重な資料が保存され、広く活用してもらえる」と話す。問い合わせは関根さん方(電)0283・62・4332。